『Utsuwa at Alternative "FUKUYA"』

2019年11年11日(月)〜27日(日)

OPEN

12時〜20時(初日15時OPEN)

​(水曜休み)

場所

「ふくや珈琲店」

東京都町田市原町田4-12-4

JR横浜線、小田急線ともに徒歩6分

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ふくや珈琲店外観

Statement

CRISPY EGG Galleryは、2018年5月、初めての陶磁器の展示である、野上薫さんによる『器の作用』を開催しました。

 

これは、”「CRISPY EGG Gallery的作品が亡霊のように呼び起こされる」というものは可能な限り排除していきたい” ( https://www.crispyegggallery.com/kaorunogamiexhibition )というオーナーの石井弘和から、器の展示を追い回していた私に声がかかり始まったものでした。

ギャラリーとして、そして企画者として初めての器の展示にもかかわらず、野上さんご自身が立体造形を出自とし、ご自身のギャラリー「◯△ gallery (malsankaku gallery)」を運営されていたこともあって、展示はすんなりとギャラリーに収まりました。神や精霊の力ではない、小さな単位が自己発達的的に形を成していくポストモダン的な造形が、器という現象として確かな存在を持てていることが、目に新しく映りました。

 

『器の作用』終了後、より外在的な展示をしたいと感じた私は、このギャラリーと巡り合う確率が低いと思われる、茶陶のスタイルを引用した器を作る井銅心平さんに声をかけ、2019年5月に開催することとなる『器体の宴』( https://www.crispyegggallery.com/shinpeiido )の企画に手を付けました。

この展示では、井銅さんの器、および、近年見られる、過去の陶芸の様式を気軽に踏襲・引用する作家たちの器の可能性について言及しました。

結果的には、洋酒と洋食を提供するワインバーでいくつかの作品を使っていただくことになるなど、一定の成果はあったものの、「六畳一間の畳敷きの小屋がギャラリーとして使われている」という環境のほうが、展示の目指した方向性よりも強く作品の姿に影響していることが浮き彫りになっていたように思います。

 

前置きが長くなりました。

さて、2019年11月に開催する本展は、これまでギャラリーで展示した上記の2人の作家の器を、CRISPY EGG Gallery の外部へ持ち出し、同時に展示するものになります。

会場の「ふくや珈琲店」は、入れ代わり立ち代わる町田駅周辺の市街にあって、服飾、飲食、家具、雑貨、内装…といった様々な商材を繰り出しながら看板を掲げ続けるお店です。その良くも悪くも雑多な空間は、作品に集中するギャラリーと比較してより私たちの実生活に近い空間を再現しており、そこでは器を飾るか、服を掛けるか、寄りかかって休息するか、といった選択肢が等価に与えられます。

このようなオルタナティブな場でこそ、2人の作品 ――構造的な堅牢さがゆえに環境の影響に左右されにくい野上薫さんの器と、陶芸の様式というパーツを持つがために環境の影響に繊細な井銅心平さんの器―― を同時に比較・観測可能な状態に置くことができるのではないでしょうか。

 

これまでの展示とは趣を変え、実際の所有や使用に寄った態度でご覧いただき、巷にあふれる器というものをどのような観点で選択しうるか、見つめ直す機会にしていただければ幸いです。

 

中元寺琢磨

Kaoru Nogami WORKS

Shinpei Nogami WORKS