『雲』
INTRODUCTION
この度2021年10月14日〜11月6日の期間、竹浪音羽「雲」展を開催いたします。
竹浪音羽は1989年生まれ。イラストを中心に発表しています。
2019年5月にはCRISPY EGG Galleryにて「まんべんなく世界」展(https://www.crispyegggallery.com/exihibitionotohatakenami)を開催いたしました。
以下2019年の「まんべんなく世界」展の作家紹介文引用です。
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竹浪音羽のモチーフは大きく分けて三つあります。
一つは浮遊する女性やキャラクターを中心に描いたもの。
また、もう一つはお土産などの小物を描いた静物。
最後に、都市や日常の風景です。
それぞれのモチーフは異なる意図をもって描かれています。
浮遊する女性やキャラクターは、幾何学的に構成された街の中に一瞬現れた「隙間」が実態化したもののように見えます。また、お土産の静物シリーズは、お土産の持つ「記憶のトリガーとしての機能」を使って、鑑賞者にそのお土産の持つ記憶を共感させるよう働きかけます。また、風景画はその画面自体が撮影者の目線そのものであり、その目に広がる風景をスマートフォンのフレームによって切り取られた一瞬の風景です。
いずれも異なるモチーフやテーマで描かれているものの、近作において共通するのは、どこかに時間や視線の感覚が潜んでいる部分でしょう。
いくつかの作品に見られる、「支持体の淵を無視し、漫画のコマ割りのように切り取られた画面」は、まるで映像の一部を見ているように時間的前後を感じさせます。
さらに彼女の視線は常に入れ替わっており、スマホの画面であったり、映画であったり、カメラのファインダーであったりと、目の代価となる撮影メディアの存在を感じる構図となっています。それゆえにその眼を借りる鑑賞者は撮影者(恐らくは竹浪本人)の存在を強く感じることとなります。
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(以上引用)
また、竹浪はイラストのみではなく、その展示空間も彼女の描く物語を想起させるような構成となっており、制作物のみに収まらないその表現の豊さに触れてほしいと思っております。
前回はCRISPY EGG Gallery1号店での展示でしたが、場所を変え2号店での展示となります。新たな空間での展開を是非ともご高覧いただけると幸いです。
2021年9月
CRISPY EGG Gallery
石井弘和
INFORMATION
『雲』
竹浪音羽
[日程]
2021年10月14日(木)~11月6日(土)[月火水および10月26日〜31日休]
[場所]
神奈川県相模原市中央区淵野辺本町1-36ー1(グレーの建物の方)
[時間]
13時〜18時
[アクセス]
JR横浜線 淵野辺駅北口から徒歩12分 (地図はこちら)
※ 日程及び時間が急遽変更となる可能性があります。ご注意ください。
ARTISTS
竹浪音羽
OTOHA TAKENAMI
STATEMENT
今年の夏に描いていた日記の絵を展示します。その日見たものをその日のうちに描いていると未来の誰かに手紙を書いているような気分にもなります。今日がどんな日だったのか、なにを見たのか、2021年7月23日は。未来の年表に載らない私の今日も大切な一日だったこと。描いた絵を見ると思い出します。
今回は、原民喜の詩を元に描いた絵も展示します。
「かげろふ断章」という小詩集には空や雲、草木など、季節に移ろう景色が原民喜の視点で書かれています。昔と今、言葉と絵。原民喜と私が見ている雲は違うものだけど、どこかで繋がっている気がしています。私の絵も空に浮かぶ雲みたいに時々誰かに見つけてもらえたらいいなと思いながら描きました。
2021年9月
竹浪音羽
【作家略歴】
竹浪音羽 takenami otoha
WEB:http://otohatakenami.tumblr.com
1989年 静岡県生まれ
2012年 美学校生涯ドローイングセミナー、写真工房修了
2019年 パレットクラブスクール20、21期 卒業
○受賞
2011年 イラストレーション誌「The・Choice 水野学審査回」入選
2012年 「3331アンデパンダン・スカラシップ青木淳賞」受賞
2013年 「静岡CCC展覧会企画公募2014」入選
2014年 「美術手帖プレゼンツシブカル杯。」入選
2015年 「ペーターズギャラリーコンペ2015谷口広樹賞」次点入賞
2016年 イラストレーション誌「第200回The・Choice窪田新審査回」入選
2018年 イラストレーション誌「第209回The・Choice大原大次郎審査回」入選
2020年『HB WORK vol.1』岡本歌織賞受賞
○展示
2012年 petit GEISAI#15,#16 出展
竹浪・大原千沙 二人展「ナイヘヤドア」武蔵小金井シャトー2F
2013年 「TRANS ARTS TOKYO 2013」出展
2014年 竹浪・竹浪春花 二人展「あんみつ4:3」静岡CCC
2015年 個展「ホップステップジャンプ」TAMBOURIN GALLERY
2017年 個展「もっとも小さい光」ototoharu;
2018年 個展「竹浪音羽 個展」River Coffe & Gallery
2018年 竹浪・高田マル 二人展「絵画検討会2018関連展示~夏の思い出~」古本屋 一日
2019年 竹浪・竹下昇平 二人展「真っ直ぐ曲がる」にじ画廊
2019年『まんべんなく世界』CRISPY EGG GALLERY
2021年『パン屋と絵#竹浪音羽』ドイツパンの店タンネ
○仕事
雑誌の挿絵や本の装画などで活動。
最近では、「ケダマ#18」掲載「story box4月号」扉絵、
「ボーダレスケアラー生きてても生きてなくてもお世話します/山本悦子」(理論社)装画、挿画担当など。