竹下昇平​ 『懐かしの今』

2019年9年7日(土)〜16日(月)

OPEN

平日 15時〜20時

土日祝 13時〜19時

​火曜休廊

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この度、竹下昇平『懐かしの今』展を開催いたします。

竹下の絵を見ていて、まず最初に目に留まるのは植物の存在感でしょう。

誰の記憶にもありそうな、どこにでもある街の風景を描いているのですが、その街を覆い隠すようにして植物が迫り出してきます。そのためか、単なる街の風景というよりも、自然の中に人工物が紛れ込んでいるように見え、街における人工物と自然の主従が入れ替わっています。

 

また近作になるにつれ、絵の具を引きずったような跡や緩やかなストロークが画面に現れ、植物と同じように街を、そして画面自体を分断していきます。ただその絵の具の扱い方は「分断」という言葉から感じるような暴力性はあまり感じず、むしろ奇妙な調和をもたらしています。絵の具は物質として画面に張り付いているかのようにも見えるし、風景の一要素とも見ることもでき、存在はあやふやです。

 

竹下の執拗な分断は風景の資料集めから分断は始まっています。

その一つに撮影方法があります。

特定の場所を複数箇所から撮影し、その画像達を単一の画面上に押し込むもうとするため、鑑賞者の視点は統一されず、遠近感や整理された空間の広がりは失われてしまいます。切り貼りされたモチーフは時には接写でまた時にはスマホの画面上で拡大縮小され、貼り付けられ、竹下独特の構成が組まれていきます。

 

街のヒビとしての植物。画面の汚れとしての絵の具。モチーフの切れ目としての画像の重複。これは何を意味しているのでしょうか?

 

竹下は「ありふれた風景」を描いている、と語ります。しかし、画面で実際に起こっている現象から考えるに、竹下の「ありふれた風景」とは、決して表面的な「ありふれた」ものを描いているのではなく、その「ありふれた」ものの裏側に潜む風景画の断面を描こうと試みている、と考えられます。

 

コンクリートの下に人間が生活しやすいように強制的に押し込まれてしまった植物。元々は鉱物だったものから、絵描きが描きやすいように作られたゲル状の物質である絵の具。鑑賞者が見やすいように整理された空間と視座。私たちが立っている地面が表の姿だとして、それら重なり合う層をめくり上げて、表層に押し込められてしまった地層の断面を見せられているかのようなのです。

 

この「都市」「絵画」「鑑賞」などの複雑な構造を同時にめくり上がらせる竹下の表現は、一見するとゆるく牧歌的な雰囲気とは反対に、「風景を描く」という行為に鋭利に切り込んできていると言えるでしょう。

 

是非ともご高覧いただけると幸いです。

​2019年8月 

CRISPY EGG Gallery石井弘和

Statement

写真に近づけて描いた要素。

絵の具をひきずったストローク。

線は人工。面は自然。

この二つの領域に絵の具を配置し、目指すはより強力な風景の在処。

思い出す行為は「今」の強度から。絵の具の生々しさからありふれた景色へ。懐かしさと同時に見たことのない風景。懐かしの今!

2019年8月

竹下昇平

『懐かしの今』
日程
2019年9月7日(土)〜9月16日(月)
オープニングパーティー
7日(土)17時〜
​平日 15時〜20時
土日祝 13時〜19時
火曜休廊
場所
CRISPY EGG Gallery
252-0206神奈川県相模原市中央区淵野辺3-17-5
​淵野辺駅北口徒歩4分

WORKS

竹下昇平

SHOHEI TAKESHITA

1990年生まれ

2015年 

個展 眺めのいい部屋 (高円寺 pocke)

 

2016年 

新井五差路との二人展 すべて眺めのいい~ (spiid)

カオスラウンジ新芸術祭2016市街劇「地獄の門」参加 (もりたか屋)

水野健一郎presentsグループ展「得体」参加 (ギャラリー ルモンド)

バラックアウト展 参加 (旧松田邸)

 

2017年 

竹下双子展(双子の弟、竹下晋平との2人展   フォースも覚醒 (中央本線画廊)

グループ展 春のカド7 参加 (artgallery opaltimes)

 

2018年

Identity XIV curated by Mizuki Endo - 水平線効果 - 春のカドとして参加(nichido contemporary art)

個展 しんこうけい (あをば荘)

 

2019年

竹浪音羽との二人展 真っ直ぐ曲がる(にじ画廊)

The Optic nerve and The Devices(CRISPY EGG Gallery)