『H@ppy Dokuro』
TAKUNORI NAKATA
INTRODUCTION
この度2022年2月3日〜2月13日の期間、中田拓法「H@ppy Dokuro」展を開催いたします。
1982年埼玉県生まれ。
2014年に多摩美術大学美術学部大学院美術研究科博士前期課程 絵画専攻修了
中田拓法はデジタル技術によって製作された3DCGや空間をモチーフに絵画製作を行っています。
彼の制作過程は緻密な準備から始まります。
まず、ゲームのようにプレイ可能なバーチャルな空間をコードの段階から組み立て、完成後、その空間やモノをモチーフに風景画や静物画としてキャンバスに転写し描画します。
この過程にどのような意味があるのでしょう。
例えば水。物理空間にある水は光ったり、透明だったり、揺らいでいたり様々な顔を見せてくれます。それを絵画として再現するとき、紙やペン、絵の具、また人の目の情報処理、社会的背景など物理や文化の制約を経て、最終的に水という記号が描かれることになります。
中田はそこにさらにコードという別言語による制約を重ねることで、新たな恣意性(ソシュール)を生み出そうと試みているのです。
これまで平面やデバイス上での空間再現でしたが、今回は現実空間全てを使った展示となり、中田にとっても新たな挑戦となります。
是非ともご高覧いただけると幸いです。
2022年1月
CRISPY EGG Gallery
石井弘和
INFORMATION
『H@ppy Dokuro』
中田拓法
[日程]
2022年2月3日(木)~2月13日(日)[月火水は休み]
[場所]
神奈川県相模原市中央区淵野辺3-17ー5(居酒屋「デコⅡ」裏)
[時間]
13時〜18時
[アクセス]
JR横浜線 淵野辺駅北口から徒歩4分 (地図はこちら)
※ 日程及び時間が急遽変更となる可能性があります。ご注意ください。
ARTISTS
中田拓法
TAKUNORI NAKATA
STATEMENT
私は近年、伝統的な絵画的言語にプログラミング言語を介在させることで、伝統的な絵画的言語のみでは認識できなかった概念を見出せるという確信を元に、主に「死」を内包した風景を描いている。他に3DCGや画像加工ソフトなど、デジタル技術を幅広く利用し、デジタル技術によって拡張された新たな霊感(第六感的な)による絵画の制作を試みている。
このような制作方法に至った理由は2つある。1つは、私が元々デジタルメディアについて広く学ぶ大学で学士を得てから、美術大学の油画専攻に入学したという経緯が影響しているということ。そして2つ目は、絵画の基本的構造と言えるメタファーとシンボルの関係について、現代においてこの課題を突き詰める価値は、デジタル技術の介在にあると考えるためだ。これは人の内面から言語が生まれるか、または、言語が人の内面を生み出すのかという、広く知られている構造的問いを参考にしているのだが、絵画に当てはめてみると、画家の内面を表現したものが絵画とは言いきれず、ある絵画が描かれることにより、はじめて観者の内に巻き起こる複雑さがあるとも言える。私の使用する絵画言語とは後者を指すのだが、その場合、制作過程でアブダクションを含まないため、未だ人々に認識されていない絵画言語を発見するのは、その歴史が長いがゆえに困難となる。そこで、言語としての性質上、アブダクションが必須となるプログラミング言語を介在させることで、未知の絵画表現と成りうる可能性を内在させている。
中田拓法HPより
「記念写真」2021 油彩、インクジェットプリント、キャンバス 116.7×80.3cm
「カオスの森」2020 映像 1分58秒
「アクアリウム」2021 キャンバスにインクジェットプリント・油彩 380x 455mm
「苺アパート」2021 油彩、インクジェットプリント、キャンバス 380×455mm
「鳥」2022 油彩、インクジェットプリント、キャンバス 318x 410mm
【作家略歴】
1982年 埼玉県生まれ
2012年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
2014年 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究領域修了
個展
2019年 「霊感と絵画」(GALLERY MoMo Projects / 東京)
2016年 「Light」(GALLERY MoMo Projects / 東京)
2014年 「夏の裏」(GALLERY MoMo Projects / 東京)
2013年 「中田 拓法 展」(ANOTHER FUNCTION / 東京)
グループ展
2021年 「WATOWA ART AWARD 2021 EXHIBITION」 (elephant STUDIO / 東京)
2021年 「パースペクティブの生態」 (CRISPY EGG Gallery / 神奈川)
2021年 「ASYAAF」(弘益大学校現代美術館/ソウル・韓国)
2020年 「再考 | Reflection」(GALLERY MoMo Ryogoku / 東京)
2020年 「ASYAAF」(弘益大学校現代美術館/ソウル・韓国)
2016年 「本江 邦夫プロジェクト展の軌跡」(ANOTHER FUNCTION / 東京)
2015年 「ASYAAF」(文化駅ソウル284/ソウル・韓国)
2014年 「少し、あかるくなる」(相模原市民ギャラリー / 神奈川)
2011年 「ワンダーシード」(トーキョーワンダーサイト渋谷 / 東京)
2011年 「PrologueⅦ」(GALLERY ART POINT / 東京)
2010年 「シェル美術賞」(代官山ヒルサイドフォーラム / 東京)