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2017.5.13~6.4

金 土

KOKI YOSHIHARA

 Alumin

アルミン

会期終了しました

CRISPY EGG Gallery では、2017年5月13日より吉原宏紀『Alumin』(アルミン)展を開催する運びとなりました。

本展覧会では、アルミホイルに実在感を感じさせるまで、繰り返し繰り返し擦り丸めることで作られた立体作品などを展示いたします。

きれいな石をみつけてピカピカに磨いてみたり、無数のシールを机にはりつける行為によろこびを感じることは、誰しもが幼き頃の記憶として残されていることでしょうし、子供を持つ親であれば子供と共に過ごす時間の中で追体験することもあることでしょう。

普通、私たちは成長するにつれてあのシンプルな喜びを無駄なものとして捨てていくものですが、それでもあのよろこびは身体の深部に紛れ込んでいます。

 

反復行為は、人を瞑想状態へと誘い、恍惚感を味わうことがあります。

写経や念仏といった類がそれに当たるようです。また、初期のテレビゲームのRPGなども「敵を繰り返し倒す」という反復行動によって一種の瞑想感を与えるようにして作られたそうです。

あの幼い頃のよろこびは、古今問わず身体の自然な欲望から引き出されたのだと思うことができます。

 

吉原の多くの作品はその根源的とも言えるよろこびそのものに触れようとする試みであると考えられます。

 

 

一見スピリチュアル的とも言える作品ですが、彼はスピリチュアルであることは意識していないようです。

むしろ、素材を蛍光塗装したり、アルミホイルを素材として扱うことで、自然愛好的スピリチュアリズムを否定し、プラスチックのような現代的質感を付与させようとしています。

 

彼の作品をもとに作られた和田夕佳氏による映像作品『未来の氷河期(loop)』は、吉原の制作風景のイメージを映像作品としたものですが、そのタイトルからも吉原のいる世界は自然愛好的な優しさは微塵も感じられず、あくまで身体を通した恍惚の渇望であるみることができます。

また吉原の作品を表した和田夕佳氏の映像作品が、まるで高山辰雄の『食べる』(1973)と同じようにうずくまった塊がうごめくような表現になっているのは、吉原の行為が「餓え」と「よろこび」が混在しているからではないでしょうか。

何かお告げを伝えるわけでもなく、また、そこに神秘性を見ることもありません。

 

ただただ繰り返される反復行為の中で苦痛とその先の恍惚を見出しているのです。

 

 

はるか昔。私たちが神話を語るほんの少し前。

イマジネーションをそのまま形にすることは、高度な抽象化能力を必要とするので、形を作るためには「言葉」の出現を待つ必要がありました。

 

しかし、身体のよろこびは言葉を獲得するはるか以前から埋め込まれているはずなので、反復作業はよろこびに触れる原始的手段の一つだったのかもしれません。

 

吉原の作品は一貫してプラスチックのような質感を求めているようにみられます。それは未来へと開かれており、ノスタルジックな原始への憧れはそこにはありません。むしろ「猿の惑星」のように言葉を失った未来の私たちが再び動物へと戻っていく様を見ているようではないでしょうか?

文明的なものを全て失い、さらには言葉までも失いつつある人類に残ったものは、ただただ繰り返し身体を動かす幸せだけ、と言わんばかりです。

 

是非ともご高覧いただきたい作家であります。

皆様のご来場心よりお待ちしております。

2017/4/22

CRISPY EGG Gallery

石井弘和

会場風景 (1)
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会場風景
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「walkman」
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「Projection」
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「Island」
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「New Balance」
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「Heroes」
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「hole」
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「Crush」
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KOKI YOSHIHARA

​吉原 宏紀

【Statement】

繰り返し同じ作業をする事は、しんどくて、退屈で、面白くないものです。彫刻の制作は、この作業に多くの時間を費やしているし、彫刻に限らず世の中の素晴らしい作品の多くもこの退屈な時間の上に成り立っています。
 木をひたすらやすったり、アルミホイルをひたすら擦ったりしていると、ある種の修行や儀式を行っているように思えることがあります。実際には儀式ではなく、単純に制作の方法として、技法として行っているだけなのですが、単調な繰り返しの作業で彫刻を作るという自作の性質上、退屈なその時間に意味があると思いたいからかもしれません。
 アルミンはこれまで木や石などを使って「ひたすら~する」というテーマで制作してきた一連の作品の次の素材として選びました。小さい頃に机の上でアルミホイルを丸めてどこまでツルツルにできるか挑戦していたことの延長ですが、これまでよりも行為と形が直接結びついていて、明快な作品になっていると思います。

2017.4.22 吉原 宏紀

​《作家略歴》

吉原 宏紀 Koki Yoshihara

 

1982 福岡市生まれ。

2007 多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。

 

個展/Solo Exhibitions

2007 「All Tomorrow’s Parties」ZAIM

2009 「吉原宏紀展」秋山画廊

2010 「散策する   翻訳する」mograg garage

2013 「GURU GURU」art space tetra、excube、mograg garage

2014 「New Balance」momurag

2016 「Pray to some things」excube

 

グループ展/Group Exhibitions

2011 「中之条ビエンナーレ2011」四万温泉地区

2012 「大•宇•宙•人•展-銀河の果てに連れてって-」ビリケンギャラリー

2012 「NEW CITY ART FAIR TAIPEI」台北

2016 「氷河期の未来」opaltimes

 

その他/Other Activities

沖冲.、エグチ ソラ、石田真也、ヨシカワショウゴとコラボレーション作品制作。

コマジャン師。